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338号 4月号 表 1段目

〔 聞く事の威力 〕
★広池博士の誠の心の実践とは★ 
 モラロジー創建の広池千九郎博士が天理教時代、松本初子さんの病を誠の実践で治した体験の話は昔からよく聞いていました。
その誠の心をいったいどのようにして実践されたか、どのようにして病が治るようになさったか・・それは私の心の中にずっと湧いていた疑問でした。お祈りはされたでしょう。しかしそれだ
けではないと思っていました。それについて誰からも一度も説明を受けたことはありませんし、書かれている箇所を見たこともありません。先月の田中源四郎講師もその話にふれましたが具体的
方法は話されませんでした。しかし、そのとき私はある一つの仮説が思い浮かびました。「誠の実践とは話を聴く事だ」と。
広池博士は初子さんの話を聞いてあげたのです。「病は気から」どんな病にもストレス、辛い苦しい思いが根源的にあります。心に鋭いトゲが突き刺さっているのです。それが引き金になってさ
まざまな問題が起こります。ですからその人の心を癒して楽にする最も一般的な最良の方法は「話をよく聴くこと」です。徹底的に聴くことです。同情、非難、説教せず、よく話を聴く事です。
ことさら促して話させるのではなく、話したくなるまで待ち、あるいは話したくなるようにそっと促します。人は心の底にある痛みを話すうちに、心が癒され、気づき、心が軽くなり、心が変
わり・・体も良くなります。それが最も重要で有効な方法であることは、今日では学問的に実証されています。さまざまな心の問題・・鬱、依存症、心身症、認知症の改善、犯罪や自殺の阻止にも役立つ大切な方法とされています。
仙台市の森のイスキヤ家の佐藤初女さんは自殺を考えている人達すらたくさん救っていますが、その方法は美味しい漬物とおにぎりを出すこと、ゆっくり話を聴くこと、それだけです。
 広池博士は初子さんの回復、あるいは幸せを祈りつつ、初子さんの心に寄り添いながら話を共感的、能動的にしっかり聴き、初子さんの心が癒されるほどに、少しずつ少しずつ、魂に沁み込む
温かい言葉を掛けたのではないかと思うのです。
さすったり、手かざしをして気を送ったり、念を送ったり、祈祷されたのではないと私は思うのです。
 心理学者故河井隼夫氏はカウンセラーでたくさんの人を救われました。ある時心を閉ざした不登校の少年が氏のところに連れてこられました。氏は彼に優しく「腹減ってないか」と尋ねました。
その温かい接し方で心を開いたという話です。
 れいろう誌もニューモラル誌も三月号は期せずして「聴く」がテーマになってその偶然性に驚きました。
れいろう誌には広池博士が相手の心情を思いやりながら聴く事を尊重されていた様子が詳しく述べられています。
『広池博士の聴き方にはひと言ひと事、相手の悲しみ、苦しみを思いやり、問いかけながらいたわり、相手の心の声を聴かれる優しさ、相手を尊重する思いが滲み出ています。広池博士のお姿の中に、相手の幸せを祈る心を感じます・・・』
(れいろう誌二十七ページより)。このように千九郎語録や博士のエピソードを語る書物には相手の心を慰安しつつ、人の立場になって聴く博士の姿が随所に書かれています。
相手の幸せを祈りながら、心を寄り添い、慰安しつつ話を聴くその態度こそ「誠の心」と私は解釈をしてみました。
モラロジーの実践として「聴く」の認識が十分とは思えませんが、これは考えなければならないことでしょう。
 しかし広池博士の指導には「傾聴」が明記されてないようです。また仏教の教え「無罪の七施」にも「聴く」が入っていないのですが、それは時代性かもしれません。そこで私は「無財の八施」として使っています。
能動的、積極的聴き方
❤顔で聴く ❤態度で聴く ❤心で聴く
☀笑顔、優しいまなざしで聴く
☀頷きながら聴く
☀身を乗り出すように本気で聴く
☀相手の言葉をオーム返しで聴く
☀気持ちを確認しながら聴く
☀祈りの気持ちで聴く
聴いてもらうことの効用
①喜びを感じる。安心、満足を得る     
②相手とのつながりを感じる
③気づき。思考の整理ができる
④問題解決の方法を自分で見つける
⑤話しているうちに勇気を得る
⑥話しているうちにやる気が起きる
⑦ストレスが解消される。癒される
⑧自らの命が躍動する

by nizicanvas3 | 2013-03-26 20:48 | まんりょう
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モラロジー道徳の普及を目的にしたブログ


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