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平成29年 8月 378号 表 上、中の段

  〘 頼まれごとは試されごと 〙

    今月は少し変わった方を紹介します。その方は

中村文昭氏。現在伊勢市でレストラン「クロフネ

カンパニー」を経営されています。氏は(かなり以前から)

年間三百回程の講演で日本中を回っておられます。一流

企業から中高生、学校の先生、もちろん一般の方等、実

に多方面からの依頼です。「高校もまともに行かなかっ

た問題児の自分がこうして皆さんの前で講演する人生が

来るとは思いもしなかったけど、それが楽しくて有難く

てたまらない」といつも楽しそうに語られます。

県北には数回来られて、私は三回(勝北、勝山、津山)

聴講しました。最初の講演会は金曜日の六時から、値段

も少々高かったのですが、若い人達、子供連れの方々た

くさんの参加にびっくりしました。どの会場でも子供達

が熱心に聞くのにさらに驚きました。講演内容があまり

に素晴らしかったので講演収録CDを八本買いました。

 その内容はすべて自らの体験談。十九歳の時、カッコ

よさを求めて上京して働いていた時、焼き鳥屋台で偶然

の出会い(以後その人を師匠と呼ぶ)が氏の人生を変えたので

すが、師匠から「何のために生きるのか」と問いかけら

れて、師匠の話を聞いているうちに、あまりにいい加減

な自分の姿を反省し「人生をやり直そう」「この人につい

ていこう」と強い決意で弟子入りし、厳しい修行をした

のです。師匠から教えられた四原則は➀返事は〇、二秒 

②頼まれごとは試されごと ③出来ない理由を言わない

(絶対言い訳をしない)④できることからする 

この四原則は徹底していて例外なし。いつでもどこで

もこれが実行できれば人生は成功し、運が開けるのです。

 氏はそこで四年間の厳しい修行をし、二十三歳の時、

独立して故郷伊勢市でレストランを開くことを師匠から

勧められ、大成功して現在に至っているのです。

しかも障害者や引きこもりの子供達を預かって、夏は

北海道で農業、冬は石垣島で塩作りを通して彼らに生き

るすべと勇気を与えているのです。伊勢市のレストラン

ではさまざまな障害者達が生き生きと働いて、その姿か

ら「将来自分もここで働きたい」と予約されるほど。

また人生に行き詰まった人達も氏の指導により勇気と

希望を与えられているのです。さて、たくさんの話題か

ら「頼まれごとは試されごと」について紹介します。★

★氏はどんな小さなことでも頼まれたという事は自分に

見込みがあるからだ、そのことを試されているのだと師

匠から徹底的に鍛えられたといいます。

どんなに忙しくても呼ばれたら返事は0、二秒。それは

素直でなければできない、言い訳を考えたらできないこと。

たとえば夏の暑い日にジュース一本買うことを頼ま

れたとき、走って買いに行きます。汗だくになって

ジュースを買ってくる姿は頼んだ人に感謝だけでなく、

「そこまでして・・」と相手に感動を与えます。そう

した行動は「あいつは」と一目置かれ、信用され、大

切にされるのです。

そういう心で迅速に、相手を思いやって、喜んで行

動していると自分の可能性は人が見つけてくれます。

人が自分の背中をぽんと押して扉を開いてくれる。

人から頼まれたことは神様から頂いたチャンスと受け

止めていたのです。

 こうして修行して故郷に帰った時、父親からお茶を

入れて欲しいと頼まれたのです。以前は「なんで自分

が」としぶしぶどころか、逆切れ状態で行動していた

のですが、寒い外から帰った父親を喜ばせようと熱い

お茶を入れて出したのです。その姿に両親は感激して、

氏の成長を泣いて喜んでくれたと言われました。

二十四歳の時、伊勢で店を出すことを相談した時、

「やめておけ」「お前にやれっこない」「無理」「世の

中は甘くない」の否定的な言葉ばかり。「何か手伝う

ことはないか」「何かあったら相談に来い」という人

は一人もいなかった。人から相談された時は、その人

の可能性を伸ばす応援をして欲しい、の声は特に心に

強く心に残りました。まったく無一文からの店舗開店。

すべてお客様に喜んで頂く、幸せな気持ちになって

頂くことをモットーにしたお店は一度の宣伝もなく、

順調に発展して、数年で多額の借金を返しました。

嬉しい事に中村氏は歴史家の白駒さん、台湾の

リーさん、本のソムリエ清水さん(れいろう誌に掲載)

みんな仲間。日本を愛する仲間。パール

のように一つぶ一つぶが輝いて、そして

つながっている真珠の首飾り、パールチエンの関係です。



by nizicanvas3 | 2017-08-08 10:59 | まんりょう
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モラロジー道徳の普及を目的にしたブログ


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