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月次祭

まんりょう2月号 裏面 上の段記事
【 伊勢神宮 月次祭 】
 十二月十六日は伊勢神宮で月次祭(つきなめさい)という神事があり、津山から八人で参加させていただきました。
 私は以前一度参加させていただきましたが、雪のちらつく寒い日で、まわりは暗くて何もみえなかったのですが、今回は目前でよく見えました。広場は松明(タイマツ)で照らされ、太鼓の鳴り響く音が沈黙の森全体に響き渡り、厳かに神事が始まりました。
月次祭のおまいりの前に、宿舎の神宮会館で伊勢の元観光協会の会長、モラロジー社会教育講師の山中先生から月次祭について詳しいお話をいただいたので内容が大変よくわかりました。
伊勢神宮のお祭りの中で大切なお祭りは「三節祭」で、神様へ収穫と感謝の誠を捧げるという大変重要な意味をもちます。三節祭とは六月の月次祭、十一月の神嘗祭 十二月の月次祭です。月次祭は夜十時と二時の二回、神様に食べ物をお供えする行事ですが、伊勢神宮が始まって以来ずーっと続いているお祭りです。
祭りというのはほとんど見物者に見せるものですが、伊勢のお祭りは神様に対してするお祭りなので見物者に見えなくてもよいのだそうです。古式にのっとってただただ黙々と手順よく神事を行うのみなのです。
祭祀は古来女性の役割で、天皇の代わりに天皇の娘が担われることに決まっています。現在は池田厚子様が祭祀です。寒中の夜中に、八十才に近い厚子様がされるには過酷な仕事ですが、矍鑠とされたお姿は神様がのり移ったようでした。なお、大切な三節祭の祭祀は天皇の代理の方で、現在は厚子様があたられています。
すべてが二千年来の方法で、神事がなされます。五十人ほどの神官は前日から心身を清めて待ちます。お供え物はご飯、餅、酒、野菜、あわびなどです。材料はそのままではなく、全部料理して、手を加えたものをお供えします。水も泉に汲みにいきます。火も昔のように木をすり合わせて火おこします。
 国民の幸せと五穀豊穣を祈る伊勢の神事は二千年前から一日も休むことなく続いています。
それは皇居で行われる天皇の神事と同じです。二千年も続けて国民の幸せを祈る伊勢神宮のようなところは世界に類の無いものです。
伊勢神宮でもっとも大切にしているのがお米です。神代の昔、天照大御神は孫のニニギノミコトに、天より降りてこの国を治めるようにいわれたとき、治めるもののしるしとして三種の神器を渡しましたが、そのとき一緒に渡されたのが稲でした。「斉庭の稲穂」といわれます。「お前の子孫が天皇になって国を治めるなら、国民を飢えさせないように、幸せにするようにとい言いつかった」と古事記や日本書紀に書いてあるそうです。「伊勢神宮はすぐに壊れる木で作られています。形はすぐに壊れるものでも、その精神は二千年も続いています。外国ではレンガや石で堅固に作られました。しかし今はすべてが廃墟になっています」という話に感動しました。どんなに権力、金力、武力をもっていても、神の前には無力なものです。
大いなる神、天の力を感じました。お伊勢産には伊勢神宮以外にたくさんの神社があります。今回は猿田彦神社までお参りできました。

by nizicanvas3 | 2009-02-03 22:45 | まんりょう
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