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まんりょう304号 6月号 裏 下の段

【歴史】    〔  坂本龍馬  〕   
今年最も人気の歴史の人は坂本龍馬。今、日本に龍馬のような人がいたらと多くの日本人が思っているのではないでしょうか。よく知られている龍馬。しかし意外と知られていない面もあるようです。
先般津山で行われた歴史講演(講師岡田幹彦氏)より紹介します。
◎龍馬は劣等生ではあったけれど、家族の温かい愛情によって育ち、りっぱな人格をもつことができるようになった。
◎龍馬は多くの人から尊敬され、愛された人であったが、それは劣等生として挫折を味わった経験、温かい龍馬の家族の絆によって得られた人柄であろうと思われる。
◎龍馬の家は土佐藩の郷士という身分の低い家柄であったが、国学、神道、歌道の伝統に精通した家庭環境で豊かな教養の中で育っている。龍馬は歌もたくさん詠んでいる。なかなか上手であった。だから龍馬は歌会もよく開いていた。
▲月と日のむかしをしのぶ湊川流れて菊の下水
▲世の人は我をなにともいわばいへ 
我がなすことは我のみぞ知る (龍馬の歌)
◎龍馬は太平記、忠臣蔵、和歌の本などを愛読していたが、特に楠木正成を非常に尊敬していた。南朝時代(楠正成の頃)の『新葉和歌集』(吉野にて出来た歌の本)を欲しがっていた記録がある。
◎龍馬は非常に天皇を崇敬していた。「・・・ご案内のとおり朝廷というものは国(土佐藩)よりも父母よりも大事にせねばならなんというはきまりなり」という文を残している。
◎龍馬は強い皇国思想、尊王攘夷思想、神国思想をもっていた。神国思想とは①天照大神を戴く万世一系の天皇を中心とする国。②天地自然のすべてを神と祭り崇める。③日本は神
の守護がある国である。・・・などと考える思想。
◎龍馬は生涯でたくさんのよき師を得ている。その最も代表的な人は勝海舟と西郷隆盛。西郷隆盛は龍馬に会って「天下に有志は多く自分はたいていこれらと交わっているが、度量の広大なること坂本龍馬の如きものはまだ見たことが無い。彼の度量の大きさは計り知れぬ」といい、坂本龍馬も西郷について「西郷は分からぬやつだ。少したたけば少しく響く、大きく打てば大きく響く」と二人は互いに尊敬していた。
◎龍馬が日本の政治に特に大きく影響を与えた偉大な行跡は
①薩長連合に導いたこと、②幕府を大政奉還に導いたこと。
それまでの敵同士の薩摩と長州を連合に導いたことは難しい交渉であり、それができたことで倒幕を早めることができた。
◎龍馬に学ぶこと。国家、民族の危機、国難を深く憂えて祖国を救わんとしたその気高い志尊い熱情、悲願、神願、自己放棄の献身、不屈の気概に基づく行動、実践の人であった。
国難に立ち上がった龍馬の姿を参考にテレビを楽しむのがよいかと思います。NHKの「龍馬伝」の題字は書家紫舟さんの書いたものです。飛躍する、天真爛漫な龍馬をイメージして、龍馬になりきって書いた字だそうです。
〔推薦書〕『坂本龍馬三十三年の生涯』(高野澄著 参修社)

by nizicanvas3 | 2010-05-27 21:58 | まんりょう
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