人気ブログランキング | 話題のタグを見る

まんりょう12月 裏 上の段

 〔 人々の心をひとつにまとめる存在・天皇  〕 
国には国を一つにまとめる中心的な存在があります。
それについてモラロジーのテキスト『こころがつくる人生』には次のように説明していますが、よく読んでみると誠に要を得た説明だとしみじみ思いました。
「・・・そうしなければ国の秩序を維持することも、国の力を十分に発揮することも出来ないのです。一つの国の秩序と統一をまもっていくには、国民それぞれの主義主張、利害を超えて、国を精神的にまとめる存在が必要となります。それが建国の理念、国旗国歌などです。
さらに国には、その国を代表し、国民の精神的中心になる人が存在します。精神的な中心となる存在は、公平無私な道徳的精神を継承し、体現していることが理想です。
国民の幸せを祈り、国際平和を願い、国際社会における自国の責任と役割を果たしていこうとする、もっとも高い品性を備えた人が望ましいといえます」とあります。
ここの部分を読んでいて、日本の皇室はよくできているなと思いました。日本には皇室・天皇がそのリーダーとして建国以来の遠い昔から連綿として絶えることなく続いています。国をひとつにまとめるというその感覚はどういうものかと考えました。
チリの鉱山に閉じ込められた人たちが救出されたことは大変感動的な出来事でした。その人たちの話によりますと、生きていることが知られない、援助のない十七日間は互いにいたわりあい、助けあって暮らしていたのだそうです。しかし援助物質が届くようになって諍いが始まったそうです。その有様を憂いた人が提案しました。
「一日に二回朝夕お祈りをしよう」と。皆で朝夕の祈りをはじめることでその諍いがなくなった、あるいは少なくなったということです。争いは物が豊かである方が起こりやすいものであることと祈りの力の大きさを私は改めて理解しました。
そこから考えるに、祈りの対象は神であったでしょうが、まさに「人々の心を一つにまとめるもの」です。ということから天皇の存在を感覚的に受け止めるなら、そのようなものではないかと考えます。
戦後天皇について、学校もマスコミでも教えられることがなくなりましたから、以前ほど国民の心の中に存在していないのですが、戦後の混乱時、国民があのようにひとつにまとまって生きてこられたのは天皇の存在があってのことといわれます。何か尊いものを戴くということが、人間のよく生きる「よすが」と思います。
どんな国でも、どんな人にも何か尊い「よすが」が必要で、それが信仰であったりします。昨年北野武さんが園遊会に招かれて天皇の前に行ったら緊張して言葉がでなかったといわれていましたが、その感覚です。★
★あるいは、西行法師が伊勢神宮にお参りしたとき詠んだ歌「何事のおはしますかは知らね
ども、かたじけなさに涙こぼるる」の心境と同じではないかと思います。実際、天皇皇后両陛
下にお会いすると多くの皆さんそんな気持ちになられるようです。私も遠巻きで何回かお目に
かかった時、そんな気持ちになりました。
敗戦後だけでなく、遠い昔から、戦国時代も、幕末という大混乱の中にあっても天皇の存在は
日本人の心を一つにまとめていました。だから日本は他国に滅ぼされないで続いてきたといえます。
日本を訪ねられる外国の貴賓の方々も、天皇個人に対しても、また長く続いている歴史あ
る天皇家に対して憧れと深い畏敬の念を抱いて接せられることもよく知られる話です。
二十世紀の大物理学者アインシュタインは日本の皇室を大変高く評価され次のように言われてい
ます。「世界の未来は進歩するだけ進歩し、その間に幾度か戦争が繰り返されますが、最後に戦いに
疲れる時が来ます。その時人類は世界を真の平和に導いてくれる者を探し出さなければなりません。
そのとき世界を導く者は、武力や金の力による者ではなく、あらゆる国の歴史を抜き超えた、最も
古く、また尊い家柄の者でなければなりません」。
天皇の存在について論理的に理解することは大切ですが、このように感覚的に理解することも必
要ではないかと思い以上のように書いてみました。
 皇室という人心をまとめて結束させる根源的な機構が日本人の心の底にあるということ
に誇りをもち、大切にしていく必要を感じます。
日本が今まで一度も他民族に支配されなかった理由として
①海に囲まれている ② 気候が温暖である ③国民性が穏やかである ④ 皇室の存在がある。
等があげられています。(社会教育講師田中源四郎氏話)
 ある映画の最終場面・夢も希望も失ったアフガニスタンの老人に「夢や希望を捨てないで頑張っ
て下さい」と日本人が言いました。すると老人は言いました。「日本人こそ、夢や希望を失わない
で誇りをもって世界平和のために頑張って下さい」。
日本人は二千余年もの長き時代をひとつの長(オサ)の統治の下で歴史が進んで来たということ
の意味と意義を知って、多くの国民の心の奥に埋没してしまっている素晴らしい日本人の魂を蘇ら
せて、日本のためにも、世界のためにも、誇りをもって外交し、活動して欲しいと思います。

by nizicanvas3 | 2010-11-30 22:55 | まんりょう
line

モラロジー道徳の普及を目的にしたブログ


by nizicanvas3
line