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329号 7月 下の段

【日本を知る】 〔 千三百年前を想う 〕
 来年津山は美作建国千三百年です。千三百年前の四月三日「これより美作の国とする」と記録にあるのは全国的に珍しいそうです。神話の国出雲も今年は出雲風土記編纂千三百年。古事記編纂千三百年。当時は飛鳥の都から奈良に移った奈良時代ですが、書物への記録があちらこちらに出来はじめたようで
す。それだけ文化が開き、世の中が一段と発展してきたのでしょうか。いったいどんな世界が広がっていたのでしょうか。大いなる浪漫を感じます。
 出雲大社は来年二十五年には六十年に一度の遷宮が行われます。伊勢神宮も二十年に一度の第六十二回の式年遷宮です。日本中に古代の息吹が甦り、新しい命が誕生するようです。
 今年は神武天皇が橿原の地に即位されて皇紀二千六百七十二年になりますが、その正確な年数の信憑性はともかく、日本の国が古い歴史があることには間違いありません。
 十数年前、画家で小説家、古事記研究第一人者の出雲井晶さんを津山にお招きして「古事記」の偉大さに気づかされ、興味をもちました。古典作家の清川妙さんとの出会い等でさらに古事記にふれる機会も増えてきました。
最近、一般でも歴史への関心も一気に古代へ飛び、私たちの遠いご先祖様への関心が強くなってきているようですが、読むにつけて古事記はなんと面白いものだろうと思えてきます。
 なんといってもワクワクするのは物語の舞台です。日本のあちらこちらに神話に関係している地名があり、そこに事実物語があるということです。
最近出雲市で出雲神話にふれる機会を得ました。素戔嗚の尊の大蛇退治に関係する場所がすべてあり、その地名が古くからあるのです。神話祭を記念してその舞台を尋ねる観光ツワーがあるのでぜひとも参加してみたいものです。
出雲市の荒神谷遺跡等からはたくさんの銅剣や銅鐸が見つかっています。それは古代出雲王朝、神話の話を実証するような発見といえます。
 神話は初代神武天皇が橿原の地で即位されるはるか以前の話で、天地創生の時からの話があります。宇宙の初め、天と地が混沌としてひとつだったが、やがて天と地が分かれて次々と五柱(別天神と呼ぶ)の神様が登場します。そして夫婦の神様七代(神世七代と呼ぶ)が現れます。その七代目がイザナギ、イザナミの神様で、そこから天照大神が誕生するのですが、たんなる作り話には思えません。そこには何かあるようです。
 また、特に感心するのが古事記や万葉集で読まれているたくさんの歌です。身分に関係なくみんなが詠んでいました。あまりに見事な表現に驚くことなく読めません。八世紀前半に完成
した「万葉集」で山上憶良は「日本は古より言霊の幸う国と語り継ぎ」と歌っています。それだけ話し言葉が発展していた国といえます。深い心の奥の思いと日常の風景が詠まれ、それが
語り継がれそれが文字に残されているのです。すごい!!

by nizicanvas3 | 2012-06-27 23:35 | まんりょう
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