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裏 上と中の段

【日本再発見】 〘 もっと日本人を知る 〙
なんとロシアでは日本の製品が大変愛されているそうです。
日本車も人気があり、一番性能がよく、信頼がおけるということです。化粧品も日本の物が求められています。面白いことに「ロシアで作った日本の製品はいらない。日本で作った日本の製品が欲しい」、いかに日本人が作った物が素晴らしいかということです。終戦時、ソ連につかまり抑留された日本人は大陸のあちらこちらで強制労働をさせられましたが、その真面目な人柄や仕事ぶりは当地の人たちに尊敬の念を抱かせたという話です。(昨年の「まんりょう」で詳しく紹介しました)
 さて、そんな日本人のルーツはどこにあるのでしょう。そのことについて大変わかりやすく、目から鱗の大好評の本が『ねずさんが語る 昔も今もすごいぞ日本人』~日本人が知らない、日本のすごい話、感動する話二十話を厳選! 小名木善行著~です。 
「世界で一番愛されている国は日本」という評判が大きくなる一方で、一部の国の日本バッシングは益々大きくなっています。だからこそ私たちは自国の歴史をしっかり知る必要があります。
しかも、この本のユニークなところは日本と外国との関係がしっかり書かれていることです。それがまた興味深い話です。
 まず「明治維新と南北戦争との深いつながり」を紹介します。リンカーンの奴隷解放という印象の強いアメリカの南北戦争。
これは両軍の死傷者百五十万人を超え、国内戦争としては大変な戦いです。(太平洋戦争では三十五万人の死者)
 この戦争は奴隷を使ってアメリカ南部の広大な土地で綿花の大儲けをしていた南部十一州、それに対する北部は産業もなく貧しい諸州、その北部へ安い労働力の黒人奴隷が入ってくると白人の働き場がなくなるということから始まった戦いだそうです。しかし北軍にはお金がなくて大した軍隊がありませんでした。ところが短期間でほぼ百倍の兵力増をして南軍を撃ったのです。なぜそれができたかというと、実はそこに日本から持ち帰った金が関係しているのです。日本は質の良い金がたくさんあり、その価値が高いのに国内ではめちゃめちゃ安いことを調べたハリス(アメリカ初代駐米大使・リンカーンの部下だった)は幕府に下田条約を結ばせて日本の金をアメリカに持ち帰ったのです。そのため日本は金が足りなくなって金の量を減らした小判をつくるはめになっています(万延小判)。ハリスは香港と日本を往復しただけで巨万の富を手に入れたといいます。その上、戦争で不要になった武器弾薬を日本に売ってまた儲けているのです。それが明治維新の成立の争いに使われたのです。
(リンカーンは奴隷解放をしたけど、人権差別は継続していました。黒人が白人同様の権利を得たのは昭和三十七年です)
 時代を戻して安土桃山時代。「秀吉はなぜ朝鮮出兵をしたのか」という話も面白い。秀吉が朝鮮出兵したのは秀吉の道楽といわれていますが、著者はそれは違っていて、秀吉はスペインの侵略を食い止める為にあったと解釈しています。
 この時代はスペインが世界に植民地を広げていた時代です。
当時スペインは総督府をフィリッピンに置いて、東アジア植民地の拡大を進めていました。中国を制覇し、朝鮮半島、日本に手を伸ばそうとしていたことを秀吉はよく知っていて、スペイ
ンに対して強固な態度で臨んだのです。当時、日本にはキリスト教が入っていましたが、キリストの信者を広める目的には、宗教から日本を支配するという意図もあったのです。なかなか面白い着眼点ではありませんか。詳しくは本をご覧ください。
 もっと古い縄文、弥生時代の話も詳しく載っています。
近年縄文時代の遺跡がたくさん出てきて、私達の歴史認識も大きく変えなければなりません。人類最古の道具(三万年前)は群馬県の赤城山麓で見つけた磨製石器です。それは人の手によって高度な加工が施された道具です。日本の加工技術は三万年前
からのではないかと推測しています。日本で人類が住み始めたのは三万年前といわれていますが、実は島根県からは十三万年前の石器が出土しているという話もあります。
 青森県の三内丸山遺跡からは五千年前の縄文集落が発掘されましたが、そこでは六本柱の高床の建築物が発見されました。
法隆寺の五重塔は千三百年前に作られた世界最古の木造建築物ですが、その作り方は防火、耐震性もよく考えられた建築物です。それらのほとんどは「槍カンナ」と呼ばれる先のとがった
のみのようなもので作られているのです。それは三万年前に出土した磨製石器です。世界最古の磨製石器が出土し、その道具一本でさまざまな木工技術を発明した日本ははるか昔から技術国家であったということです。
さらに世界の四千年以上も古い文化をもつ国で砂漠化していないのは日本だけということも知っておきたいことです。それは日本が森を大切に育ててきた自然と共生する民族だからです。
科学の進歩で古いものが非常に正確に分かるようになってきました。漆器は中国からといわれていますが、福井の若狭町の鳥浜貝塚から出土した漆の木の枝が一万二千年前のものと平成
二十三年に発表されました。漆の木は自生する木ではなく、漆の採取を目的にして栽培しなければ育たない木だということです。そしてこの漆の木は日本固有種であるとわかったのです。
またこの遺跡からは布製の衣類やさまざまな装飾品が出土しています。垣の島遺跡から出土した漆器のかけらは九千年前のものです。中国より日本の方が古いのは漆器だけではありませ
ん。稲作跡の年代測定をしても日本の方が古いという証拠があるといわれます。一般に言われている「縄文時代は狩猟採集の原始的生活」とはいえない高い技術文明があったようです。
しかも縄文遺跡からは対人用の武器が発見されていません。
平和で豊かな時代があったと推察されています。しかし、弥生時代には服装も土器も簡素になっています。それは何故でしょうか。実はその頃の大陸は遊牧民と漢民族が権力闘争に明け暮れる春秋時代です。その後のことは本でご覧ください。

by nizicanvas3 | 2014-02-28 21:51 | まんりょう
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