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平成26年 5月 351号 

       〘 脳の記憶 〙
 ソチでのオリンピック中、森元総理が「あの子は大事な時にはいつも転ぶ」といわれ物議をかもしました。あの時期に、あの発言はちょっといただけないのではと思っていましたが案
の定。判官びいきの日本人、元総理に非難ゴウゴウ。その後、浅田選手は好成績を出せて、あの言葉が挽回できてよかったのですが、元総理の方はさらに悲劇、ダブルパンチでした。
しかし、森元総理の言葉はまんざら間違っているものではないようです。浅田選手だけでなく、優秀な選手達でもだいたい同じところで失敗をしていることが多いようです。
 私は三味線を習っていますが、何回も何回も練習をしているのに、その場所に来ると間違えてしまうことがよくあります。
どうして申し合せたように間違うのだろうと不思議になります。失敗しないようにするほど微かな緊張が走るようです。
なぜかというと、それは脳がその失敗を覚えているのです。
そして、一度記憶した記憶を訂正するとき脳に微かなストレスが起こります。そのストレス状態がバランスを崩します。ですからその場所に来る脳のストレス状態が起こるか、心身に緊張が走ると脳がストレス状態になるかによって体が崩れるのです。
 最初の脳の記憶というものは恐ろしいものです。最初にAだと思って記憶したものは、Bにはなりにくいのです。Bになるにはよほど強烈な何かを与えないと難しいようです。 
あるいは最初に覚えたものがいつまでも記憶に残り、後の訂正が利かないということもあります。私たちは思い込みで自分が正しいと信じてしまうことが少なくないのです。
「最初に見た目が九割」という本もありますが、人間の印象はそれだけ最初が大切なようです。初めて出かけた場所は遠く感じます。同じ時間なのに帰りは近く感じます。それは脳が最初
の風景を無意識にも覚えているからだそうです。
人間関係も同じようです。ですから「最初が肝心」という昔からの諺を胆に銘じておくといいかもしれません。最初にいやだと思ったらその思いを払拭することはなかなか難しいのです。
習いごとも最初に正しいこと、良い指導をしてもらうことが重要です。昔から「基本」が大切といわれる所以です。
「三つ子の魂百まで」の言葉にも当てはまることです。ですから人生の最初の乳幼児期の記憶には心地よい、温かいものを与えなくてはならないのです。特に心留めたい大切なことです。
そこでその度重なる失敗を乗り越えるには、負の連鎖の脳の記憶の回路のスイッチを切ることが必要になります。

by nizicanvas3 | 2014-04-24 22:32 | まんりょう
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