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平成28年 2月 360号 

  〔 まんりょうの復活  〕
今月より「まんりょう」の発行を再開します。
一年前白内障と頸と腰の狭窄症手術を前に「まんりょう」の発行を当分の休刊にしました。お蔭様で目も腰も無事回復し、元気になりました。
「いつ発行するの」という有難いお言葉を度々頂いていましたが、どうにも自分を奮い立たせることができませんでした。「潮時」という言葉があります。
一度再会してまた休刊はできないし、ここらでやめるのも潔くていいかなと九割がた考えていたのです。
 手術が終わった後、もう自分が表舞台で活動する時代は終わった気がしていました。ずーと前を向いてひたすら突っ走ってきた私はもうこれでいいという気がしたのです。
余生と言うのには少し早い言葉ですが、庭で花を育て、パンを焼いての暮らしもなかなか楽しく、身の丈に合ったボランティア活動をして、悠然と暮らすのもいいかなと思う事もありました。
 しかし一方ではせっかく取り戻した健康な体、世の為にもっともっとお役に立てなければという熱い思いも心の奥に沸々としていました。
 そんな葛藤の日々、「動け」と私の背中をポンと押す本に出会いました。門田隆将著の『日本遥かなり』です。~エルトゥールル号の「奇跡」、邦人救出の「迷走」~それは今話題の日本とトルコの関係を紹介した素晴らしい本です。映画「海難一八九〇」のエルトゥールル号とトルコ航空イラン救出の物語の他に、湾岸戦争、イエメン内戦、リビア動乱からの邦人脱出劇という四つの物語です。
その本で、日本人が外国で騒乱や戦争に巻き込まれたとき、日本政府は憲法や法律に束縛されて本当に何もできなかった事、国の力で日本人の命を助けることができなかったということがよく分かりました。紛争の中、行き場を失い、困り果てた現地の日本人は、多くの仲間たちを救出するために死に物狂いで自ら外国の大使館や知人に日本への帰国の手がかりを探して駆けずり回っていた時に、私達は安穏と暮らしていたのです。これらの話は遠い昔ではなく、今世紀前後にあった命懸けの脱出劇なのです。
考えてみるとその方たちが現地で働いて下さっているからこそ、資源のない日本で私達は豊かな生活ができているのです。なぜそういう大切なことを私達は知る事が出来なかったのか、私は無性に怒り、そして申し訳なさを感じてきました。
その後、この話を知人達にすると「知らなかった」と驚き「いい話を聞かせて頂いた」と喜ばれました。
こんな大切な話題は多くの方に知っていただかなくてはならない。先人の素晴らしい物語を皆さんに広くお知らせしなければもったいない。どうしたら私にそれができるだろうかと考えたとき、それには「まんりょう」の復活しかないかな、とついに思えたのです。
今まで「まんりょうを読んで初めて知れたことがたくさんありました」「とても勉強になりました」
「面白く、分かりやすい、簡単に知れて良かった」との声を戴いた事がよくありました。この小さな新聞が結構広く皆さんの役に立っていたようです。
 以前手相を見てもらった時、「あなたは事業には向いてない。話したり、書いたりして自分を表現するのが一番合っています」と言われましたが、やはりその通りのようです。
「ペンは剣よりも強し」といいます。
御縁のあった古典作家の清川妙さんは九十三歳、亡くなる前まで筆を走らせて自分の思いを表現されました。
もはや若くない私がこれからできる世の中への貢献は筆をもつこと、「話す事」「書くこと」で「伝える事」。それが私に相応しい社会貢献かなと思うのです。
死ぬまで国の有り様を案じていた父が「頑張れ」と私の背中を押してくれたのかもしれません。
 それが広池理事長の悲願である「道義国家日本の再建」のお手伝いになるかなと改めて思いました。
皆の心を美しく、元気にする話題、日本人としての誇りを培う話題、生活に役に立つ話題、子育てに役立つ話題、モラロジーを伝える話題、そんな話題を身近な人達にお知らせする為に、もう一度丁寧に書いてみたいと思います。
再出発!どうぞこれからもよろしくお願い致します。

by nizicanvas3 | 2016-01-25 22:12 | まんりょう
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