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367号 9月豪 表

     〘 人が育つ限りない可能性 〙
『長女は三十歳。十五歳の時不登校をきっかけに心のバランスを崩し不安神経症、外出もできなくなり高校も退学、昼夜逆転の生活、家族からも世間からも隠れるようにして夜中に一人で食事をしていた。・・・そんな生活が十五年間続き、私も夫も諦めかけた。ところがある日突然娘は求人広告で仕事を探し、面接を受けた。・・あれから一年娘は毎朝六時に出勤している。「疲れた」といいながら私の作った夕食をむしゃむしゃ食べている。「もう一生分休んだからあとは死ぬまで働くよ」とつぶやいた。』
右記の文章は産経新聞の『夜明けのエッセイ』(七月二十日に掲載)「あれから一年」というタイトルのエッセイだが、読んだ後「よかったね」と知人の如く喜び安堵し、そして
十五年間ひきこもる我が子を見続ける親の気持ち、本当はどうだったのかと胸がえぐられる思いになった。
また、『れいろう』の八月号には「ビリギャル」で有名な『学年ビリのギャルが一年で偏差値を四十上げて、慶応大学に合格した話』の著者坪田信貴氏の記事が掲載されていた。
「ビリギャル」とは最低の成績、金髪に厚化粧、へそ出しルックのギャルの意味。そのビリギャルといわれたさやかさんは、塾講師坪田信貴氏に出会い、伸びる可能性を見出されてわずか一年半の頑張りで慶応大学に合格したのである。
これは映画化されたほど有名な話であるが、まったく学力も常識もないさやかさんに面接をしたとき、坪田氏は見かけでは判断できないちゃんとした挨拶の仕方に「この子はやれる」と直感で感じたといわれている。
それほどのビリギャルを塾に連れてきたのはさやかさんの母親。モンスターペアレントと非難されるほど我が子を信じて、我が子の可能性が花開くのをじっと待ったのだ。
坪田氏は語る「子供が夢を語って努力を始めたとき、周囲はそれを信じて温かく見守る。ただそれだけでいいのです」
奇しくも同時期に知ったふたつの出来事に、人間には限りない可能性があるもの、枠をつけてはいけないことを学んだ。
 坪田氏の著書には多くの子供達の能力を引き出し、人を育てる方法、さやかさんを育てた方法が紹介されている。相手にやる気を起こすように付きあうその方法の一つはなんと
いっても「褒め育て」。相手の善いところを見出し、褒めて待つことのようだ。少しずつ自信をつけて、できる体験を積み重ねてやる気を育てることが大切だと言われている。
『やってみせ 言って聞かせて させてみて
ほめてやらねば 人は動かじ(山本五十六)』
 人を育てる極意として有名な言葉を坪田氏は次のように説明している。
 言葉で言い聞かせる前に「ビジュアル化」をしましょう。それによって相手が「真似」しやすくなります。図などを描く時には、紙いっぱいに大きく書いて見せます。こうして①ビジュアルでやり方を具体的に見せた後で、
②ポイントを言い聞かせる。
③繰り返しさせる。
④一人でさせる。
⑤できる 
⑥ほめる 
⑦もっとやる、というサイクルを作りましょう。未来が目に見えてくるようなビジョンを伝えなくては意味がない。
 知識を教えるのではなく、やり方を伝えるようにします。本人が試行錯誤するときには、エラーをさせて、自分で気づくような状態まで見守りましょう。やる気が起こるからやるのではなく、させる → できる→ やる気が起きるが必要。
 文字はできるだけ大きく書く。大きい字を書くと記憶に残りやすい。

by nizicanvas3 | 2016-08-28 22:04 | まんりょう
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